けんたの気持ち
2020-09-19 14:16:00
出会ったのは4年前。Aちゃん23歳の時でした。20歳で当時一人暮らしのAちゃんを襲ったのは脳出血。連絡を聞いたお母さんは現地に向かいながら最悪の事を想像し覚悟したそうです。
治療の甲斐あってなんとか一命を取り留めほっとしたのもつかの間、医師から告げられたのは「一生寝たきりになると思います。」の言葉。
”夢を追いかけて一生懸命に頑張ってきた娘がこんなことになるなんて”と一度は落胆されたそうです。でも可能性は「0」じゃない。何かあるはず。と、積極的なリハビリを希望されました。家でも積極的なリハビリがしたい!との想いも強く私たちに依頼されました。
訪問開始当時の印象は若くて可愛らしい子。とはいえ状態は気管カニューレ、夜間人工呼吸器管理で移乗などは全介助レベルで手も握ったまま自分の爪で掌に傷が出来そうなほど。腕や足の関節も硬くなっていて動かすと全身に力が入ってしまう状態で椅子に座ることもできません。声もスピーチカニューレを着けないと出せず、出ても1~2単語で会話は正直困難な状態でした。
発症から3年が経過していてどこまで回復するのか未知数でしたが時間をかけてゆっくりと使える機能を探し出して少しづつ少しづつのリハビリ…
徐々にAちゃんの体も応えてくれるようになりました。
介入約1年後、気管カニューレが取れスピーチカニューレ無しで声が出た時のお母さんの喜びようは言葉では例えられないものでした。
それを見て私たちも嬉しくて嬉しくて堪らなかったのを覚えています。
本当に嬉しかった。それから3年間、徐々に回復を見せてくれている。
握ったままだった手はピンポン玉を握れるくらい自分で開けるようになり、肩や肘も制限はあるものの動かせるようになってきました。今では凍らせたブドウやミカンは自分で食べています。
椅子にも座れなかったのが、今では短下肢装具を着けて少しだけ立てるようになりました。
毎回のリハビリでは目に見える変化はそうありませんが、少しづつ確実に変化していく娘を見て、出来ることが一つ増えると自分の事のように喜ぶお母さん。そのお母さんを見て”どや顔”のAちゃん。なんだか素敵な時を感じました。
リハビリは玉ねぎの薄皮を1まい1まい剥がしていくような変化の積み重ねです。
治る病気、治らないとされている病気もあります。だけど生活はみんなにあります。だったら活き活きと生活してもらいたい。
その人らしくを大切に。
をモットーにこれからも頑張ります。