けんたの気持ち
小さなお子様のお看取り…訪問看護師になって22年目にして初めてでした。年齢で差別するとか偏見とか全然ないけれど、やはり、とても辛かった。
お母さん、お父さんの気持ちを考えると心が張り裂けそうになります。最初から、どの様に関わっていけば良いのか随分悩みました。せっかくの家族の時間を邪魔するわけにはいかない。私が訪問することで日常ではなくなってしまう、と思い、安定されている時はなるべく訪問回数を抑えました。
それが良かったのか悪かったのかもまだわからない。直近の退院後はTPNやリンデロンの関係もあり毎日訪問させてもらいました。保清など、お風呂など入れてあげたいな、とも思ったけれど、私がやりたいと思っている位やからおとーさんやおかーさんはもっとやってあげたいやろうと思うと方法やコツをお伝えするに終わってしまった。口腔ケアだけは少しお手伝いできたかな?
最期は思っていたよりさらっと逝ってしまってまだ全然実感が湧かないけれど、彼の教えてくれたことは忘れません。
今後もおうちで過ごしたい子どもちゃんや重心の方々、もちろん青年、壮年、老年期な方々がその人らしく過ごせるよう少しでもお手伝いできたらと思います…頑張るぞ!
Aさんとの出会いは4年程前。
「あなたの顔が一番に思い浮かんだの!きっと受けてくれると思ってー!」
と、他ステーションの所長さんからの電話での依頼だった。黄色靭帯骨化症で頸部から腰部までプレート固定されている、頸髄損傷、下半身不随の方である。(因みに体重113キロ)
仙骨に巨大褥瘡形成しその治療のため入院していたが、ほぼ治癒し退院の目処がたったものの、今までのステーションが体制的に受けられない状況とのこと。
そして、気性にやや難あり、というか、入院中も看護師その他とやり合い、入院継続も困難とのことだった。
結果、基本的に依頼は今まで断ったことがないので断り方もわからずお受けした。退院前カンファレンスで初対面したがなかなか貫禄充分、退院後も色々ありそーやなと思いつつ最初は週二回の訪問から始まった。
当初は介護保険対応で、収入も障害年金しかないため生活的にも支援的にも苦しかった。病状が進んでいく中で、ケアマネージャーさん、ヘルパーさんと協力し、支え合いながら現在は、障害の制度も利用し、看護も医療で充分に入ることができている。
やんちゃな性格により、私はもちろん、リハビリスタッフ、ヘルパーさんなどともぶつかることはしょっちゅうあるが、常に日々のサービスに感謝されていることもわかるし、思うように動かない身体に対してイライラすることもわかる。
「お互い、思ったことは貯めんといこう!」をモットーに、喧嘩しながら、持ちつ持たれつで一緒に活きています!